前準備
分子の次数<分母の次数にする
分子の次数が分母より大きいか等しいときは次数下げをします
例)\(\frac{x^3+x+1}{x^2+1}=\frac{x(x^2+1)+1}{x^2+1}\\=x+\frac{1}{x^2+1}\)
分母の因数分解
分母はできるとこまで因数分解しておきます
例)\(\frac{1}{x^3+2x^2+x}=\frac{1}{x(x+1)^2}\)
基本ルール
①分母の因数毎に分ける
例)\(\frac{1}{x(x-1)(x-2)}=\frac{A}{x}+\frac{B}{x-1}+\frac{C}{x-2}\)
②分母がn次式⇒分子は(n-1)次式
例)\(\frac{1}{x(x^3+2x^2+1)}=\frac{A}{x}+\frac{Bx^2+Cx+D(←2次式)}{x^3+2x^2+1(←3次式)}\)
③分母因数がn乗⇒1乗,2乗,….,n乗それぞれの項を作る
例)\(\frac{1}{x(x+1)^3}=\frac{A}{x}+\frac{B}{x+1}+\frac{C}{(x+1)^2}+\frac{D}{(x+1)^3}\)
未知数の求め方(2種類)
ここでは例として\(\frac{1}{x(x+1)}=\frac{A}{x}-\frac{B}{x+1}\)を用います。
両方の方法共通でまず分母を通分して分数をなくしておきます
\(1=(x+1)A+xB\)・・・⑴
係数比較法
式を\(x\)について降べきの順に整理して恒等式として係数比較します
例でいうと式⑴を\(x\)について整理して
\(1=(A+B)x+A\)
これはxに関する恒等式であるので両辺の\(x\)の係数を比較して
\(\begin{cases}A+B=0\\A=1\end{cases}\)
この連立方程式を解いて\(A=1,B=-1\)
数値代入法
\(x\)に具体的な数値を代入して未知数を求める方法です
未知数A,B,C,…の係数が0になって消えるように代入します
例でいうと式⑴にまず\(x=-1\)を代入します
\(1=-B\)
よって\(B=-1\)
次に式⑴に\(x=0\)を代入します
\(1=A\)
したがって、\(A=1,B=-1\)となります
実際に計算してみよう
例として\(\frac{1}{x(x+1)^2}\)を部分分数分解しよう
基本ルールにのっとって
\(\frac{1}{x(x+1)^2}=\frac{A}{x}+\frac{B}{x+1}+\frac{C}{(x+1)^2}\)とおく
両辺に\(x(x+1)^2\)をかけて分母を払うと
\(1=(x+1)^2A+x(x+1)B+xC\)ここでは係数比較法を使います
\(1=(A+B)x^2+(2A+B+C)x+A\)から
\(\begin{cases}A+B=0\\2A+B+C=0\\A=1\end{cases}\)これを解くと\(A=1,B=-1,C=-1\)
よって
\(\frac{1}{x(x+1)^2}=\frac{1}{x}-\frac{1}{x+1}-\frac{1}{(x+1)^2}\)と分解することができました。
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